吸入指導加算の解説

吸入指導加算の解説

2020年調剤報酬改定 吸入指導加算の解説

この記事を書いた人
薬剤師歴26年目の調剤薬局勤務の薬剤師
吸入指導加算の医師への報告はどうすればいいのだろうと考えている

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    吸入指導は以前からデバイスのデモ機などを使って行っているから加算は取れると思うんだけど。医師への報告はどんな内容でどのように報告したらいいのだろう?そもそも医師に吸入指導するように処方せんに指示を記載してもらえるのかな」

2020年の調剤報酬加算で吸入薬の指導を患者さんに行った時に算定出来る吸入指導加算が新設されました
この記事で分かること

  1. 吸入指導加算とは?
  2. 医師への報告方法
  3. 処方せんに指導を行うよう医師に指示を出してもらうためにはどうすればいいのか?

1、吸入指導加算とは?

吸入指導加算とは?

目的

吸入薬指導加算は、喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者が吸入薬を適切に使用し、治療効果の向上や副作用の回避に繋げる

算定要件

以下のア及びイを行った場合に3月に1回に限り算定する。ただし、当該患者に対し他の吸入薬が処方された場合であって、必要な吸入指導等を別に行ったときには、前回の吸入薬指導加算の算定から3月以内であっても算定できる
ア 文書及び練習用吸入器等を用いて、吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かなどの確認等を行うこと。
イ 保険医療機関に対し、文書による吸入指導の結果等に関する情報提供を行うこと。
(2) 当該加算に係る指導は以下のア又はイの場合に、患者の同意を得て行うものであること。
ア 保険医療機関からの求めがあった場合
患者若しくはその家族等の求めがあった場合等、吸入指導の必要性が認められる場合であって、医師の了解を得たとき
(3) 当該加算に係る吸入指導を行うにあたっては、日本アレルギー学会が作成する「アレルギー総合ガイドライン 2019」等を参照して行うこと。
(4) (1)の「文書による吸入指導の結果等に関する情報提供」とは、吸入指導の内容や患者の吸入手技の理解度等について、保険医療機関に情報提供することであり、文書の他、手帳により情報提供することでも差し支えない。ただし、患者への吸入指導等を行った結果、患者の当該吸入薬の使用について疑義等がある場合には、処方医に対して必要な照会を行うこと。なお、保険医療機関に情報提供した文書等の写し又はその内容の要点等を薬剤服用歴の記録に添付又は記載すること。

点数

吸入指導加算 30点 3月に1回

吸入指導加算の要点

吸入指導加算の要点

1、処方せんに医師から吸入指導の記載があるか確認

 1−1、記載がある→患者さんに旧指導して良いか確認して吸入指導開始
 1−2、記載がない→患者さんに吸入指導して良いか確認→OKの場合→医師に問合せ→吸入指導開始

門前の医師とあらかじめ打ち合わせをしておくと良い

処方せんに吸入指導の指示がなかったら、患者さんから吸入指導の求めがあった場合は義義紹介せずに算定してあとで報告する形でも良いか。
などと決めておくことで義義紹介をしなくても済む

2、吸入指導の実施

 2−1、文書による指導
 2−2、練習用吸入器を用いて指導

文書と練習用吸入器の両方を用いて説明す方が患者さんはわかりやすい

算定要件では「又は」となっているが文書と練習用吸入器の両方を用いて説明す方が患者さんはわかりやすい。
練習用吸入器がなかったらすぐにメーカーに連絡して取り寄せよう
説明に用いる文章は群馬県薬剤師会が出しているものが1番使いやすい『こちら』使えばOK

3、吸入指導の結果の報告

 3−1、文章で報告、報告用紙のフォーマットを予め作成しておく
 3−2、手帳により報告する

解説

報告用のフォーマットは作成しておいた方がGood!

店舗で作ったものをのせておきます→吸入指導報告書
吸入指導報告書の例

報告はお薬手帳でもOK!

お薬手帳で報告すればわざわざ医師に吸入指導報告書を持って行かなくてもすみます。
門前の医師と話ができるならお薬手帳で報告するむねあらかじめ了解を撮っておけばよいでしょう。
お薬手帳はPHCメディコムのレセコンであればこちらのデータが使えます
お薬手帳用吸入指導報告書
お薬手帳用吸入指導報告書

・医師が診察時にお薬手帳を確認していれば手帳に貼った方が楽
・確認していないのであれば報告書でFAXで報告

医師に直接持っていくことで医師との距離が縮まります

3、処方せんに指導を行うよう医師に指示を出してもらうためにはどうすればよいのか?

処方せんに指導を行うように医師に指示を出してもらうためにはどうすればよいのか?

医師と仲良くなる

医師と仲良くなっていればどうなる?

  • 1、改定の時にお願いしやすい
  • 2、採用薬品の相談が出来る
  • 3、患者さんの情報を聞くことができる

など色々な特典が生まれます

医師と仲良くなるにはどうすればいい?

  • 1、日頃から会いにいき情報提供する
     (患者さんのこと、薬の情報のこと)
  • 2、自分が旅行にいった際にちょっとしたお土産を持って会いにいく
  • 3、事務さんと仲良くなり薬や保険の情報をGiveしまくる

今回の改定で医師と会うチャンスが大幅に増えた

自分は15年前薬局長になってから毎週1回患者さんが薬局で話した情報を持って医師に面会にいっていました。医師は忙しく会えない時も多々ありますが事務さんに先生に渡しておいて下さいと頼んでおけば医師に情報は伝わります。

医師に何の情報持っていけばいいかわからない・・・

という薬剤師のために1つ例を上げておきます

患者さん「この薬飲んでないから余っちゃってるのよね〜、でも先生には言わないでね」
私「そうですか、わかりました」

次回投薬時

患者さん「先生が症状落ち着いているから(血液検査の数値が良かったから)この薬飲まなくていいって言ってくれたの」
私「この前飲んでなかったって言ってた薬ですね、良かったですね〜」

医師への報告

実は最初の投薬のあと

〇〇さんですが、〇〇の薬飲んでいないそうです。
先生には言わないでねって言っていましたのでご配慮願います

とこんな感じで医師に報告しておきます

医師には

「〇〇さんの飲んでいなかった薬減らしてくれてありがとうございました。〇〇さん薬が減ったってすごく喜んでました」

と報告を忘れすにしましょう

小さな積み重ねで医師との距離を縮めていきましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です