2024年版治療薬マニュアルと今日の治療薬の違いを比較検討!

治療薬マニュアルと今日の治療薬って、どっちを購入すればいいんだろう?両方購入する余裕はないし、先輩薬剤師に聞いても「好きな方を選べばいいよ」って言われちゃうし・・・

こんにちは。調剤薬局で働く29年目の薬剤師、あらたかです。毎年「どっち買おうかな〜」と悩む薬剤師は沢山いるのではないでしょうか。この記事が少しでも購入の手助けになれば幸いです。自分は諦めて両方買っていますが(笑)
毎年この時期になると、治療薬マニュアルと今日の治療薬のどちらを購入するか迷う薬剤師は多いです。実際に本を見ながら検討するのが1番良いのですが、ネットで購入したり、じっくりと比較する時間が取れなかったりする方もいます。この記事を読むことで、どちらの本が今の自分にとってベストなのかが分かるようになります。
治療薬マニュアルがおすすめの薬剤師

経験4〜10年の中堅薬剤師
今日の治療薬の内容は、ほぼほぼ頭に入っており、もっと1つの薬剤について深掘りして勉強したい薬剤師には治療薬マニュアルがおすすめです。
- 治療薬マニュアルの活用事例
- 投薬の時に「この薬よく分かってないな」などと感じたら、家に帰って治療薬マニュアルで調べ直して知識を増やしていくという勉強方法があります。

私はずっと「治療薬マニュアル」派でした。細かい文字を読み込んでいって、自分の知らなかったことが書いてあった時にドーパミンが放出されるからです!
今日の治療薬がおすすめの薬剤師

新卒〜3年の若手薬剤師
ページ内に配合薬やAGの情報が載っていていろいろな情報がすぐに分かります。必要最低限のことは書いてあるので調剤する時にすぐに調べられて便利。
- 今日の治療薬の活用事例
- 新人の頃は、知らない薬剤が出てきたら調べてから調剤します。忙しい業務の合間に調べるのには見やすくて、必要な項目がすぐにわかる今日の治療薬が便利です。

最近は「今日の治療薬」の方が調べやすいため、薬局に今日の治療薬、自宅に治療薬マニュアルを置いて使い分けています。
治療薬マニュアルと今日の治療薬の2023年版を比較

メトホルミンのページを比較してみましょう。
治療薬マニュアル2023年版

治療薬マニュアルは細かい字で1.5ページ分の情報量があり、ボリューム満点です。
- 記載されている項目
- ・薬価、AG、適応、用法、警告、禁忌、注意
・患者背景(合併・既往)腎、肝、生殖
・妊婦、授乳婦、小児、高齢
・相互作用、過量投与、取扱上
・副作用、動態、作用、規制
・臨床解説
◯ 取扱上に記載されていること
- オルメサルタンと一包化すると変色する
- インスリンとACE阻害薬との併用で低血糖を起こしやすくなる
◯ 臨床解説 適応外使用に記載されていること
- インスリン抵抗性を有する多嚢胞性卵巣症候群:1日750mgを単独、またはクロミフェンと併用する

「取扱上」「臨床解説」を読むことが楽しくなります。「へ〜なるほどね」という知らなかった情報もあり更なる知識の習得に役立つからです。
今日の治療薬2023年版

今日の治療薬は2/3ページ分の情報だがスッキリして読みやすい
- 記載されている項目
- ・薬価、合剤、AG、適応、用法、警告、禁忌、注意
・既往 腎
・妊婦、授乳婦、小児、高齢
・相互作用
・副作用、動態、特徴
◯ 合剤に記載されていること
- イニシンク、エクメット、メタクト、メトアナ
合剤が一覧で載っているので、「配合薬あったかな?」というときに役立つ。
◯ 特徴に記載されていること
- 欧米なみの2250mgまで投与可。ただし、高齢者には、肝腎機能を確認し慎重投与

今日の治療薬も「特徴」を読むと、添付文書には載っていない情報が書かれていますので情報の引き出しを増やすのに役立ちます。
治療薬マニュアルが文章で書いてあるのに対して、箇条書きでまとめてある印象。例えば「車運転注意」は右のマークになっている。
薬理作用のページの比較
治療薬マニュアル

最初のほうに薬理作用のページがまとめてあります。1疾患につき2ページ(左側が図解、右側が文章による解説)
図は簡易化されているので、スッキリしていて見やすい。その反面、臓器がイメージできない薬剤師にとっては理解が難しくなる。
今日の治療薬

各疾患の最初に薬理作用を含む解説ページがある。糖尿病は17ページあります。
図はごちゃごちゃしているが、臓器の形になっているのでイメージがしやすい。臓器がイメージできる薬剤師にとってはちょっと見にくい。

治療薬マニュアルは薬剤ごとに情報を詰め込んだイメージ。対して今日の治療薬は薬剤ごとは必要な情報をメインに載せて、解説は解説ページに載せているイメージです。
WEB版の治療薬マニュアルと今日の治療薬を比較
治療薬マニュアルのWEB版は無料!

薬品名の検索でサクッと出てくるので、本よりも使いやすいかも。
内容も同じで、文字が大きく見やすいのでWEB版のほうがおすすめです。本は購入して薬局や家に置いておいて必要な時に調べる。WEB版は持ち歩いて、在宅の時や投薬中にササっと調べる。
こんな使い分けができるので便利ですね。
今日の治療薬のWEB版はサブスク制!

月額429円で最新の情報にアップデートされます。1年間で考えると429円x12ヶ月=5,148円。今日の治療薬の本が5280円なので、本の方がちょっとだけお得です。
本は重たいし持ち歩きたくないな〜という薬剤師や、最新の情報をいち早く知りたいという薬剤師にはおすすめです。

私はアナログ人間なので、今日の治療薬のWEB版は購入しませんが、新人薬剤師の皆さんは携帯で調べることに抵抗がないと思いますのでおすすめできますね。
治療薬マニュアルと今日の治療薬のメリットとデメリット

治療薬マニュアルのメリット
- とにかく詳しい、薬剤のページを見ることで添付文書+アルファの知識が増える
- 強調色が青色なので長く見ていても目が疲れない
- WEB版も無料でついてくる
治療薬マニュアルのデメリット
- 本が分厚くて重い
- 文字が小さいので老眼の薬剤師にとってはつらい
- 紙が薄いので持ち運ぶとぐしゃぐしゃになることがある
今日の治療薬のメリット
- 薬剤の情報が、箇条書きでコンパクトにまとまっているのでサッと調べられる
- 強調色が赤系の色なので重要なポイントが目に入ってきやすい
- 老眼でも見える文字の大きさ
- 他の本に比べたら思いが、なんとか持ち運べる重さ
今日の治療薬のデメリット
- 治療薬マニュアルに比べると情報量が少ない
- WEB版は有料で別途料金がかかる

内容的には大きな差はないため、迷っている人は直感的にページを見て好みの方を選んでも大丈夫。結局は毎年購入するので合ってなかったら、来年は別の本を買えば済む話です。気軽に考えよう!
まとめ(結局どっちがいいのか?)

治療薬マニュアルがおすすめの薬剤師
- 経験4〜10年の中堅薬剤師
- WEB版も無料で利用したい薬剤師
- 知識を充実させて、もっと患者さんのために貢献できるようになりたい薬剤師
上記に当てはまる方はこちらから
今日の治療薬がおすすめの薬剤師
- 新卒〜3年目までの薬剤師
- WEB版を利用して最新の情報を得たい薬剤師
- 調剤時に調べる時間を早くして、患者さんの待ち時間を少しでも減らしたい薬剤師
上記に当てはまる薬剤師はこちら

薬剤師にとって知識は自分の武器にもなりますし、患者さんに貢献するためにもなります。今まで購入したことがなかった人もこの機会に購入して、薬剤師として一緒にレベルアップしませんか?