【便秘薬】リンゼス錠の頓服服用の処方【保険適応外】

【便秘薬】リンゼス錠の頓服服用の処方【保険適応外】

リンゼス錠0.25mgの勉強会に参加してきました。2017年3月に新発売された薬ですが、市販後調査で副作用や効果の情報が蓄積されてきました。MRさんからの説明会での情報をまとめました。

リンゼス錠0.25mgは頓服で処方すると保険審査できられてしまう。

リンゼス錠が頓服で処方されてきたけど、保険で請求できるのかな?

他の便秘の薬と同じように頓服で処方すると保健審査で切られてしまうという報告があります。

保険審査は地域によって差がありますが、覚えておいて損はないでしょう。
切られても薬局に痛手はありません。しかし門前の薬局の場合は医院が保健で査定を受けることになります。医師に情報提供して事前に切られないように、頓服で処方されていた場合は疑義紹介をしなければいけません(そもそも添付文書に用法が書かれていないので疑義紹介は必須です)

あらたか
あらたか

疑義紹介の手間を省くためにも事前に医師に情報提供をしておいたほうが良いです。

リンゼス錠は半錠・つぶし・1包化はダメ

リンゼス錠は湿気に弱いがゆえに半錠、つぶし、1包化の調剤はできない

なぜリンゼス錠は湿気に弱いのか
リンゼス錠0.25mgの成分(リナクロチド)はアミノ酸が14個繋がった構造をしています。この成分がアミノ酸であるために湿気に弱いという特徴があります。
あらたか
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老人ホームなどは一包化することも多いですが、リンゼス錠はヒートのままホチキスで一包化した袋に留めるなど工夫して調剤します。

リンゼス錠は慢性便秘症には使えるのか?

リンゼスは慢性便秘症には使えるのか?

海外では慢性便秘症の適応を取得しています。

※ 2018年8月に追加で慢性便秘症の追加適応承認をとっています。詳しい情報はこちら

現在リンゼス錠は海外で30カ国の国で使用されています。
慢性便秘症の適応は国内でも承認申請中です。
現在は便秘型過敏性腸症候群(便秘型IBS)の適応しかありませんが、情報の早い医師の先生の場合、慢性便秘症の患者さんにも処方してくる可能性が高いので、投薬時には要注意ですね。
慢性便秘症に適応がないからといって、慌てて処方医に問い合わせをしないように、まずは患者さんの話を良く聞きましょう。

あらたか
あらたか

現在では、一般の医院でも普通に処方されるようになっています。

リンゼス錠と酸化マグネシウム(カマ)の併用はOK?

リンゼス錠と酸化マグネシウムの併用は可能

酸化マグネシウムを服用している患者さんにリンゼス錠が追加になる場合は次の3パターンがあります。

パターン1:酸化マグネシウムの量はそのままで、リンゼス錠を追加する。

● 処方変更の理由:酸化マグネシウムで効果が見られなかった

パターン2:酸化マグネシウムの量を減量して、リンゼス錠を追加する。

● 処方変更の理由:酸化マグネシウムで効果が不十分だった

パターン3:酸化マグネシウムを中止してリンゼス錠に変更になる場合です。

● 処方変更の理由:酸化マグネシウムで副作用が出てしまった

あらたか
あらたか

どのパターンも患者さんの話を良く聞いて、医師からどの様な説明があったか確認しながら投薬しないと、きちんとした投薬が出来ません。

リンゼス錠は患者さんの判断で減量してもよいのか?

リンゼス錠も他の便秘薬と同様に患者さんの判断で減量して大丈夫

患者さんには減量した場合は次回診察時に医師に減量した旨伝えるように話しておくことは言うまでもありません。

リンゼス錠はなぜ食前に服用するのか

リンゼス錠は食後や寝る前に服用すると便が緩くなりやすい

特に食前と食後について比較したデータはありませんが、臨床試験の際に食後や寝る前に服用した場合、軟便になりやすくなる傾向があったため、発売時に食前の服用という用法になりました。

いつ飲むかは、朝、昼、夕で効果に差はないとのことで、どのタイミングで飲んでも大丈夫なようです。

リンゼス錠の効果

✅ 24時間以内の排便のある患者さんは72%

✅ 毎日服用して1週間で、通常の便形状になる

あらたか
あらたか

初回の処方時には排便があったからといって1回限りで服用を中止しないこと。1週間は続けて服用して、便が通常の便形状になるまで飲み続けるよう服薬指導しましょう。

リンゼス錠を飲む前に水分を多めに摂ると効果はアップするのか?

水を多く飲んでも効果に変化なし

前にピコプレップ配合液の説明で、服用前に水分を多めに摂っておくと、腸管からの水分が多く排出されるという説明をうけました。リンゼス錠でも水分を多めに摂ったほうが効果が高くなるのでは?と思いMRさんに質問してみました。